006:現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!
「学童保育」の常識を覆す  脱現実! 東洋経済のすごい「記事」

オピニオン005

■3 図書館でも体育館でも運動場でも、学校を「丸ごと」使える… そんなすくすくスクール、どこにあるの?

小岩さん:記事では、先ほどの「全入」のところ…もう一度読みますね。『――「全入」とは画期的です。多くの自治体には、共働き家庭の子どもを学童クラブで預かる仕組みがありますが、近年は激戦化し、入れない子どもも出ています。入れたとしても、狭い部屋に「すし詰め」になっていることも多いと聞きます。なぜ、それが可能なのですか?』と。この後の、江戸川区長のお答えが、私には理解ができなかったんですが、皆さん、わかりました?

葛西さん:いや、全く理解不能です。にわかには信じがたい発言でしたね。

瑞江さん:ああ、ここですね。江戸川区長が、『学校の施設全体を丸ごと使えるので大丈夫なんですよ。図書館でも体育館でも、運動場でもすべて使っていいのです』と、お話しされているところ。私もびっくりしました。江戸川区内73校のうち、どこのすくすくスクールで、そんなことが行われているのでしょうか?

葛西さん:だって、子ども達は、すくすくスクールの部屋にほとんどずっと閉じ込めっきりですよね?

全員:(大きく頷く)

小岩さん:ごくたまにね、校庭とか、体育館とか。ごくごくたまに、しかも短時間だけ使える。『学校の施設全体を丸ごと使えるので大丈夫なんですよ。図書館でも体育館でも、運動場でもすべて使っていいのです』とは、いったいどこの江戸川区立小学校の話でしょうね。あるんですかね。そんなすくすくスクールが。

体育館 瑞江さん:私、以前に、あまりにすくすくスクールの部屋が大勢の子どもでごったがえしているので、指導員の方に「今日は会議室は開けないんですか?」って聞いたんです。時々ですが、そこをすくすくスクールに開放して、遊びに使っているのを知っていたので。

葛西さん:それってよくありますよね。私もお迎えに行くと、壁のボードに「きょうつかえるばしょ」って表があって、必ず見るのですが、「すくすくスクールホームルーム=○」以外は、「体育館=×」「校庭=×」「図書室=×」「**室=×」と、ホームルーム以外は「×」で使えていないことがほとんどです。

瑞枝さん:ですよね。だから時々開放している会議室を、こんなに混雑している今日、使えたらいいのに…と思って指導員さんに聞いたんです。そうしたら指導員の方に、「今日は、人手が足りなくて開けられないんです」と言われました。

葛西さん:ああ、あります。当然ですよね。安全管理責任がありますから。子ども達だけで置いておくわけにはいかないし。だからいくら「場所」があっても、管理する「大人」がいないと使えないも同然なんですよね。

瑞江さん:しかも江戸川区では、今年度から「指導員をさらに減員」しています。見守る大人の数を減らしておいて、場所だけ「使っていい」と言われてもね。現実的じゃありませんね。

篠崎さん:うちの子は低学年で…授業は4時間(下校13:20頃)、5時間(下校14:30頃)が多いです。ところが高学年は週に数日は6時間授業(下校15:20頃+クラブ活動)。だから高学年の活動が終わるまで、校庭はすくすくスクールの子どもたちは使えないのが現実です。だから「友達と校庭で遊ぶ約束してたのに、今日は、高学年の体育の授業やクラブ活動が終わらなくて、校庭なかなか使えなかった。結局、友達が帰ってしまって遊べなかった」と、泣いていたことがありました。

瑞江さん:加えて、運動会前は高学年による応援団の練習が放課後にあるからダメ、運動会用やマラソン大会用のラインを引いてあり踏んではいけないからダメ、光化学スモッグ注意報が発令されたからダメ、夏休みなどは校舎や校庭の改修工事が入り機材や工事車両が入るからダメ、そしてとどめは「今日は指導員が足りないからダメ」・・・と(苦笑。

瑞江さん:わが子は2年生です。校庭はいつ使えるのか聞いてみたのですが、使える日が限られるのはもちろん、6時間目の終わりのチャイムがなるまで、校庭には出られないと言うことでした。

小岩さん:うちも聞きました。校庭に出ていい時間は、うちのすくすくスクールでは毎日1時間だけと決まっているそう。しかも毎日ではなく、工事だとか運動会準備だとか雨だとかのNG要因がない、使用可能な日だけです。年間で言えば非常に少ない。

篠崎さん:うちの小学校でも、学校の改装や校庭の整備工事があり、何カ月もすくすくスクールホームルームの一部屋のみしか使えない日が続きました。週に5日、そこだけに居なくてはならず、放課後や、さらには夏休みの長い時間を過ごすしかないわが子に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

小岩さん:私もですよ。大人だって同じ部屋に何時間も、しかも「おやつ」「麦茶」などの息抜きもない状態で長時間置かれていたら、ストレスがたまる。

校庭のブランコ 葛西さん:結局、校庭で遊べる日は、雨天などを除くと年間で非常に限られた日しかない。江戸川区長さんが言う「学校丸ごと使える」だけ聞いたら、どんなユートピアかと思うけど、実際は違います。

瑞江さん:あと…図書室のことなんですけど。

小岩さん:それ私も今言おうと思っていた!

篠崎さん:うちの学校は、すくすくスクールの子ども達が図書室を利用しているのを見たことがありませんよ。

葛西さん:うちもですよ〜! 図書室が使えたら、読書や勉強で静かに過ごしたい子どもにとってはどんなにいいかと、いつも思ってます。でも使えないそうです。

篠崎さん:うちの子が1年生だった昨年の夏休みで、図書館を利用できたのは2週間に1日くらい。さらに「9時から10時半まで」とか、非常に短時間しか許されていませんでした。

瑞江さん:工事中や雨の日など、校庭使用が絶対的に無理な場合、せめて図書室を使わせてもらえれば、静かな空間で本を読んだり宿題をしたり。そうしたい子には、良い環境だろうなあと思いますよね…これぞ江戸川区が絶賛推進中の「読書科」の取り組みにぴったりでしょうし。

葛西さん:でもね、『学校の施設全体を丸ごと使えるので大丈夫なんですよ。図書館でも体育館でも、運動場でもすべて使っていいのです』って、どういう根拠から出たんでしょうね? すくすくスクールで、図書室が自由に使えるためには、どういう環境が整っていないといけないか、想像がつかないのかしら?

篠崎さん:学校によるかもしれませんが、図書室は普段でも授業などで使用するとき以外は、出入り禁止ですよ。常識的に考えて、それはそうですよね。子どもたちが自由に図書室に出入りすれば、そこで遊んだりふざけたり、本を破損・紛失したりと問題が起こってくるから、大人の管理者がいない状態で自由開放できるわけがありません。まして児童がすくすくスクールの管理下に入った時、そのために一人の指導員を図書室に常駐させておけるほど人員の余裕がない状態です。だって、江戸川区は、すくすくスクールの指導員をどんどん減らしているのですから。

瑞江さん:図書室にすくすくスクールの子どもが自由に出入りしたとき、いったい誰が管理すると区長は思っているのでしょうか?

小岩さん:例えば本が紛失・破損したら学校が困るとか、そういうことは少し想像力があればわかるでしょうにね…。児童の行動には、万一何かあった時のために、常にその場の「責任者」たる大人の存在が要求されるんです。あたかもすくすくスクールの子ども達が、毎日、自由自在に学校施設を存分に活用しているかのような「幻想」を、まことしやかにお話しされていますね。

葛西さん:あと体育館ですが、ここもめったに使えませんよね。学校側で、就学児健診、入学式、各種説明会、展覧会・音楽会・学芸会など秋の行事、創立記念などの式典、卒業式などの行事があると、その準備期間にあたる1週間〜数日前からは、体育館内のセッティングがあったりして、すくすくスクールには貸してもらえないですよね。

瑞江さん:そうそう! そしてその使えない日が、年間で、実に多いんですよ! 梅雨時なんかは、せめて体育館で発散させてやりたいと思うけど、それでもなんだかんだで体育館は使えなくて、すくすくスクールホームルームだけに閉じ込めっきり。子どもは、「すくすくの部屋だけで遊ぶしかない。つまらない。行きたくない」と、なります。とは言っても、こっちは働いているから、行かせるしかないんです。本当に悲しくなります。

小岩さん:この間、雨の日にお迎えに行くと、子ども達が部屋の中に本当にひどいすし詰め状態で遊んでいました。床も見えないほどのごったがえ状態です。せめて体育館を開けて欲しいとスタッフの方に理由を尋ねると「展覧会前で、体育館が使えないのです」と話してくれました。

瑞江さん:区長はご存じなのかどうかわかりませんが、下校後の時間帯、すくすくスクールホームルームからいったん出ると、教室などに行く廊下には「立ち入り禁止」のロープが良く張ってありますよね。

篠崎さん:うちもあります。子どもにわかるように「はいれません」とか「きょうしつにはもどれません」とか書いてあるかな。1年生の時、宿題のドリルを忘れて教室に戻ろうとしたら、すくすくスクールの指導員さんに行っちゃダメと言われたそう。職員室に行って、先生の許可を得てから取りに行きなさいとのことでした。

瑞江さん:要は、すくすくスクールホームルーム以外の学校施設は、すくすくスクールの子どもは自由に使うことはできないんですよね。

小岩さん:立ち入り禁止のロープで、すくすくスクールホームルーム以外の場所への移動を、ほとんど禁じられている…それがすくすくスクールの現実です。『学校の施設全体を丸ごと使えるので大丈夫なんですよ。図書館でも体育館でも、運動場でもすべて使っていいのです』というすくすくスクールは、江戸川区内のいったいどこにあるのでしょう? 教えていただきたいです。

葛西さん:それでも、『すべて使っていいのです』と、はっきりと言い切っておられますので、73校のうち1校くらいは、どこかに本当にそんなすくすくスクールがあるんじゃないかと疑ってしまいますが…

篠崎さん:いったん帰りの挨拶をして「下校」し、学校の管理下を離れたら、児童は自分のクラスに忘れ物を取りに行くのにすら、職員室に行って先生の許可を得てからでないと教室に戻ることはできません。そのことを、ご存知なのか、そうでないのか…

葛西さん:昔と今とでは、学校の管理状態が違いますよね。盗難やいたずらから学校を管理することが必要な時代に、「施設を丸ごと使える」「すべて使っていい」という現実は、常識的に考えてすでにありえません。

小岩さん:そうですね。それを可能にするすくすくスクールが仮にあるとしたら、「学校内のすべての場所に指導員を配置できる」場合だけでしょう。何度も出ましたが、江戸川区は今年度さらに指導員を減らしましたね。ボランティアなどではなく、仕事として、責任を持って見守る大人の数が減らされていますので、すくすくスクールの子ども達は、ますます自由に活動できなくなっているのが現状です。

篠崎さん:いやあ…この「場所」の話は、あまりに現実と違うので長くなっちゃいましたね…

◆この記事を印刷して読みたい方は、こちらから印刷用記事(PDF)をダウンロードしてお読みいただけます。

◆この記事の続きを読む方は→こちら

◆この記事の最初に戻る方は→こちら

◆他の「OPINION」も読む方は→こちら

MENU

↓こちらもあわせてご覧ください

江戸川区・学童補食の継続えどがわ学童補食の継続を願う会ブログ

えどがわ学童保育フォーラム・twitter

えどがわ学童保育フォーラム・フェイスブック

inserted by FC2 system