004:「すくすくスクール」は、これからどこに行くのだろうか? 〜あるクラブマネージャーからのご意見

オピニオン004

江戸川区の独自事業として、2003年にモデル校1校で実施され、2004年に環境が整った39校で開始、翌2005年には区内小学校一斉にスタートしたこの事業は、いわば江戸川区の鳴り物入りの制度だった。区内外にも注目され、文科省と厚労省が連係して立てた「放課後子どもプラン」のモデルになったと、大きくPRしていたのを覚えている。

しかし、10年経過した今、すくすくスクールは子どもたちにとって、放課後の時間を過ごす居場所として、豊かに運営されているのだろうか?生活の場として子どもたちの育ちを健やかに支えているのだろうか?

私は10年間、子どもの参加が一定を保ち、制度として成り立ってこられたのは、学童保育の機能を中に残したからだと思っている。嫌でもこの場所に帰ってきて、一定時間を過ごさなければならない子どもたちが、自分たちで居心地の良い場所にするために、大きく活躍してきたからだと。そして、自由に参加する他の子どもたちにも遊びの技術を伝播し共有してきたからだと。

今年度、平成25年度から、学童登録の子どもたちの「補食」が一斉に廃止された。

実はそれ以前から、学童登録の子どもたちの補食の時間を、「一般登録児童が帰った5時過ぎに」するよう、江戸川区教育委員会は通達してきた。これにより、補食を希望する家庭は激減した。しかもその上、全廃とは…。毎日、下校から帰宅までの長い時間をすくすくスクールで過ごす子どもたちのことを、きちんと考えているとは思えない。 また補食の廃止に関し、保護者の方の意見も聴かず、その後のていねいな対応もなかった。

思い返せば、補食の時間を「5時以降にする」とした時も、子どもたちや保護者の意見を聴いた上の結論ではなく、いまだに納得できるものではない。ましてや、補食廃止の理由についても、同様に納得するものではない。

毎日、この場所にいなければならない子どもたちにとって、すくすくスクールは生活の場であり、自由に参加する一般児童とは対応が違って当たり前だ。 給食から夕食までの間にエネルギー補給をする必要があるから、「補」食と言っていたのではないか? 特に低学年で食の細い子どもにとっては、死活問題とも言えよう。

それに加えて、午後のひと時にお茶などを飲みながらおやつを食べる時間は、気持ちを落ち着かせ次の行動の活力になるのは、おとなでも同じである。

「すくすくスクール」は、単なる遊び場ではない。子どもたちが遊びを通じて成長し、それを支える生活の場所ではないのか? その視点がまったく考慮されていない。

「すくすくスクール」の主役は子どもたちであり、その子どもの意見を活かしてこそ、 豊かな事業になるのだと考えるが、そうした手法もいまだに皆無である。 最初に感じた、この事業に対する夢や可能性が、ここ数年泡のようにしぼんでいっている。これが、現在の正直な気持ちだ。

(江戸川区立小学校・すくすくスクール・クラブマネージャー(注1):2013/11記)

注1:すくすくスクールの「クラブマネージャー」

「すくすくスクール」において、放課後の子ども達の見守り等を行う地域の方。1校に1名いる。クラブマネージャーには、平成24年度まで報酬が支払われていたが、平成25年度より江戸川区は「財政難」を理由に、これを無報酬とした。【参考:江戸川区HP「難局に直面する行政運営 財政危機と施策の見直し」】

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